
列車の待ち時間の間、福井城まで往復して過ごした福井を後に、金沢行きの普通列車に乗り込む。
ボックス席に一人ないし二人座るくらいの乗客を乗せ、再び一面真っ白な世界へと出発!静かで暖かな車内の空気が眠気を誘う。普通列車の金沢行きは、ひとつひとつ律儀に駅に停車し、数人の乗客が入れ替わる。そんなことを繰り返しながら、車内ではゆっくりとした時間が流れる。これが普通列車の旅のよいところ。急がず、ゆっくりとした旅ができるのは青春18切符の旅の醍醐味である。
まったりとした車内の雰囲気の中、列車が金沢市郊外に差し掛かった頃、下校の高校生がどっと乗り込んできて、たちまち通路まで満員状態。今までの車内の静けさが嘘のように一気に賑やかになる。そんな状態もつかの間、列車は金沢駅に到着。どっと、高校生にまぎれながら、列車から押し出されるようにホームに出て金沢の地を踏む。
ブルブル。おー寒む。さすが古都金沢の玄関口、金沢駅は新幹線の駅を思い起こさせるような高架の立派な駅で、改札を出るとみやげ物店やショッピング店が駅構内にあり、多くの人たちが行き交っている。ザックをおろし、ちょっと荷物の整理をしようと中身を取り出すと、ない!手袋が見当たらない!どこかで落としてしまったのか?記憶をたどり、よく考えてみると、確か福井で福井城まで歩いたときは手袋をはめていた。途中で雨が降り出し、全身ビジョビジョになって手袋も濡れてしまったので、列車の車内で座席の上に出して干していた。そのときだ!しまった!さっき金沢駅で高校生に気を取られ車内に忘れてきてしまったようだ。もう列車は折り返して行ってしまったし、諦めるしかない。結構、気に入っていた手袋だけに残念。これから先、雪の中、手袋なしで旅を続けなければならないのも辛いなぁ。
金沢駅を出た列車は、変わらぬ雪景色の中、北陸路をひた走る。倶利伽羅峠を越え、富山県に入るといよいよあたりも暗くなり始めた。車窓から見る田畑の雪原が青く映り、どこか幻想的な景色にしばらく見とれる。
大阪を出ておよそ7時間。特急列車なら半分の3時間半で来られるところ、普通列車を乗り継いで富山に到着したのは既に日も暮れた17時38分。寒々とした富山駅ホームに降り立つ。時間はかかったが、ゆっくりとした普通列車の旅を楽しめた上、運賃も通常なら5,460円のところ2,300円で来られた訳だ。なんだか得した気分で富山駅の改札を出る。
今日はここで青春18切符冬の旅を切り上げよう。
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